宝福寺が所有する縦98.8cm、横41.5cmの十幅の絵画です。 十王とは、死者の生前の罪業を審判する冥府の十人の王のことで、閻魔(えんま)王をはじめ、秦広(しんこう)王、初江(しょこう)王、宋帝(そうてい)王、五官(ごかん)王、変成(へんせい)王、太山(たいざん)王、平等(びょうどう)王、都市(とし)王、五道転輪(ごどうてんりん)王の十人があげられます。これら十人の王が、それぞれついたてを背に、机の前に座り、死者に判決を下す様子が描かれています。この絵は、元の時代、中国で製作され日本に伝わって来たものと考えられています。当時の人々が、死後の世界をどのようにとらえていたかをほうふつとさせる興味深い資料です。