絹本著色地蔵菩薩像
けんぽんちゃくしょく じぞうぼさつぞう
地蔵菩薩は、釈迦(しゃか)が亡くなった後、弥勒(みろく)菩薩が56億7千万年後に人間界に現れるまでの間に、生死を繰返す六つの世界=六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上)にいる心を持つすべてのものを教化し救済する仏です。
この絵は絹布に描かれたもので、中央に地蔵菩薩を描き、周囲に侍女や官人、武人、僧侶、獅子などを配しています。頭上には六道をあらわす六条の雲の上に、人や獣、餓鬼などが描かれています。
地蔵菩薩は、左の手のひらに宝珠をのせ、右手に支えた錫杖を肩にもたせかけており、地蔵と女性の肌は白く、男性は黄色く彩色するなど、丁寧に描かれています。
文政10(1827)年、了意による鑑定では、明の国の周東村の筆とされています。また、朝鮮画という伝えもありますが、画風やその他の面からみて、室町時代の初めごろ、大陸系の仏画をもとにわが国で描かれたものと考えられます。
名称 | 絹本著色 地蔵菩薩像 | |
所在地 | 総社市井尻野 |
指定区分 | 国指定 絵画 |
時代 | 室町時代 |
指定年月日 | 明治34(1901)年8月2日
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管理者 | 宝福寺(岡山県立博物館寄託) |
大きさ・寸法 | 縦111cm、58.5cm |