認知症とは、さまざまな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったりすることで障害が起こり、生活するうえで支障が出てくる状態を言います。
大きく分類すると「アルツハイマー型認知症」、「脳血管障害による認知症」、「その他の認知症」に分けられ、その種類によって対処法は異なります。
認知症は、誰でもなりうる病気で、早期診断・早期治療が大切です。
認知症を発症すると、本人だけでなく家族にも大きな負担がかかるため、家族だけで抱え込まないように、一人ひとりが認知症を正しく理解し、みんなで見守り支え合う地域づくりをめざしましょう。
65歳以上の高齢者のうち認知症の人の割合は12.3%、MCI(軽度認知障害)の人の割合は15.5%とされており、それを総社市の65歳以上人口(約20,000人)にあてはめると、約2,500人が認知症と推計されます(R6年12月末時点)。今後高齢者人口の増加に伴い、認知症の方も増加することが見込まれます。
このような状況を踏まえ令和元年6月に策定された「認知症施策推進大綱」、令和6年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」に沿って、認知症になっても住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられる「共生」を目指し、認知症についての正しい知識の普及・啓発、地域における見守りの強化・充実を図ることにより、認知症の早期発見・早期診断・早期対応、通いの場の拡大など「予防」の取り組みを進めています。
認知症は、中核症状が進む中で混乱が強まり、行動・心理症状(BPSD)が現れる事があります。症状が現れるかどうかは、体調や心、生活環境が大きく影響します。小さな変化を見逃さない関わりが大切です。
認知症の症状は、日常生活上のちょっとした変化に現れる事が多いものです。早期診断・早期治療が大切で、早い段階で異変に気づき、適切な治療・内服により、進行を遅らせたり、症状を軽減または改善できる場合があります。
「もしかしたら認知症かも・・・?」と感じた場合は、できるだけ早く医療機関や地域包括支援センター等にご相談ください。本人が病院に行きたがらない場合は、周囲の人が心配していることを十分伝え、本人も同意したうえで受診するようにしましょう。
認知症の症状のめやすをチェックしてみましょう!
認知症の人は、記憶力や理解力は低下していますが、その人らしさや喜怒哀楽の感情は今までと同じように持ち続けています。関わり方により、症状を和らげることができます。
【 3つのポイント 】
1.驚かせない 2.急がせない 3.自尊心を傷つけない
認知症は、長期的に適切な介護を行う必要のある病気です。家族だけで抱え込もうとすると、適切な対処が取れなかったり、必要な情報がえられないため、介護疲れにつながり、介護が続けられなくなる恐れがあります。
認知症の人への適切なケアと、介護する家族の健康のためにも、積極的に地域包括支援センターや医療・福祉サービスなどを利用し、介護ストレスを軽減しましょう。
生活習慣病を予防・改善することは、認知症の原因であるアルツハイマー病や脳血管障害を防ぐことにも効果的であることが分かってきています。また、活動的な生活を心がけ、脳に刺激を与えることも大切です。