角楼跡


かつてここには、裏門的な門跡の存在が推定されていたが、平成8年度の発掘調査で城門ではなく、特殊な遺構であることが判明した。

ここは、南北両方から入り込んだ谷の頭部にあたる背面側の要地で、正面側約13m、奥行側約4mが前方へ突出した長方形の張り出し部が、城壁に付設されている。張り出し部の下部は、推定高さ約3mの石垣とし、その上部は土積みであったようで、張り出し部の本来の高さは約5m以上と推定される。石垣の間にはほぼ4m間隔で、一辺約50cmの角柱が立つ。張り出し部の外側には、通路のような幅1.5mの敷石が巡っており、また、城内側には角楼への昇降のための石段もつけられている。

張り出し部をもつこの遺構=角楼は,背面からの攻撃に備えるとともに西門防備をも意図した重要な防御施設と考えられる。なお、角楼の存在、石垣の間に立つ柱、敷石が巡っていることは、日本の古代山城では初の発見例である。



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