木造薬師如来坐像

もくぞう やくしにょらい ざぞう

 ヒノキ材による寄木造で、金粉を膠(にかわ)の液で泥のように溶いたものを塗り表面を仕上げていますが、一部に漆箔(しっぱく)という漆を塗って金箔(きんぱく)を張った痕跡が認められることから、当初は漆箔の像であったと思われます。
 鎌倉時代後期~南北朝時代の特徴を備えていますが、鎌倉時代盛期の写実的なものとは異なります。やや形式化した硬い表現などから、南北朝時代のものと推定され、同じ東光寺に安置されている毘沙門天立像(びしゃもんてんりゅうぞう)が造られた正慶2(1333)年とほぼ同時期の作ではないかと考えられています。

木造薬師如来坐像

名称
木造薬師如来坐像
所在地
総社市種井
指定区分
市指定 彫刻
時代
鎌倉時代末期
指定年月
昭和46(1971)年5月25日
管理者
東光寺
大きさ・寸法
像高53.2cm

薬師如来: 瑠璃(るり)光浄土という仏の世界の教主で、瑠璃光によって人々の病気を治し、寿命を延ばし、災厄を除いて、衣食を満足させる現世利益的な色彩の濃い仏のこと。