木造毘沙門天立像

もくぞう びしゃもんてん りゅうぞう

 ヒノキ材による寄木造の像で、両肩から先と右沓(くつ)先を欠いています。そのほか、破損し別材で接いだ個所も多くみられますが、非常に優れた美しい像です。
 白土を下地として彩色を施しており、頭髪部の色落ちは目立ちますが、色彩の残っている部分も多くみられ、多彩な文様が用いられたことが分かります。
 唇には朱を、瞳やまゆには墨を入れ、その顔立ちも毘沙門天によくみられる威厳や鋭さを表現したものとは異なっており、端正で気品さえ感じさせるような仕上がりとなっています。

木造毘沙門天立像

名称
木造毘沙門天立像

所在地
総社市山田
指定区分
市指定 彫刻
時代
南北朝時代
指定年月日
昭和34(1959)年7月3日
管理者
善福寺
大きさ・寸法
宝髻(ほうけい)を除く 像高94.1cm

毘沙門天
 仏教の宇宙観で、世界の中央にそびえるとされる須弥山(しゅみせん)の北側に住み、夜叉(やしゃ)を率いて北方を守護する神です。多聞天とも呼ばれ、仏法を守り、福や財をもたらすとされています。