木造聖観音菩薩立

もくぞうしょうかんのん ぼさつりゅうぞう

 曹洞宗の寺:善福寺の本尊であるこの像は、カヤ材の一木造で、像の内部をくり貫かない生地のままのものです。背面の腰の下から下部および足の下部が腐朽したため、ヒノキ材で大きく補修しています。腕は両肩で接ぎ、さらにひじから下を接いでいましたが、現在左腕はひじより下がすべて失われています。右腕は接がずに一材で造られていますが、これは後世に補修されたものです。像の前面は全体に磨損が目立ちます。また、顔も一部彫り直しされたと判断され、修復部分は多いものの、いまだ美しい表情を残した優れた仏像です。

聖観音 
 『法華経』によれば、観音に祈りを込めれば千手(せんじゅ)観音や十一面観音などさまざまな姿に変化し、人々に救済の手を差し伸べるとされていますが、その中心となり根本となる変化をしない観音のことです。宝冠に阿弥陀(あみだ)の化身を付け、左手に蓮華(れんげ)を持つ姿などであらわされています

木造聖観音菩薩立

名称
木造聖観音菩薩立像
所在地
総社市山田
指定区分
市指定 彫刻
時代
平安時代後期
指定年月日
昭和34(1959)年7月3日
管理者
善福寺
大きさ・寸法
総高116.0cm(台座を除く)