こうもり塚古墳

こうもりづかこふん

 吉備の大首長の墓と考えられる前方後円墳で、後円部には棺を納めた横穴式石室があります。
 この横穴式石室は、全長19.9mで巨大な石を組み合わせて造られており、岡山県下三大巨石墳の一つに数えられています。また、全国でも、確認されている横穴式石室の中では第3位の規模を誇ります。
 玉砂利を敷き詰めた石室には、井原市産出の貝殻石灰岩で造られた家形石棺、土を焼いて作った陶棺が安置されていました。盗掘を受けていましたが、須恵器や土師器などの土器のほか、大刀や馬具をはじめとした鉄器などが多数出土しています
 この古墳は、かつて仁徳天皇に愛された吉備のくろひめの墓とされ、くろひめ塚古墳とも呼ばれていました。しかし、この古墳が6世紀後半に造られたもので、仁徳天皇の時代とは100年以上も隔たりがあることから、現在ではこうもり塚古墳と呼ばれています。この名称は、石室内にこうもりがたくさんいたことに由来します。
紹介動画(YouTube)
史跡こうもり塚古墳を360°で体験しよう!(投稿者:岡山県古代吉備文化財センター)

こうもり塚古墳

名称
こうもり塚古墳
所在地
総社市上林
指定区分
国指定 史跡
時代
古墳時代
指定年月日
昭和43(1968)年2月15日
管理者
岡山県
形式・構造など
前方後円墳、横穴式石室
大きさ・寸法
全長約96


貝殻石灰で作られた家形石棺

貝殻石灰岩で作られた家形石棺


ヒレのついた陶棺

ヒレのついた陶棺
 このように飾った陶棺は、ほかに例がありません。吉備で発見された陶棺の中では、最古級のものと考えられます。