第1回目となる「雪舟の里 総社 墨彩画公募展」には、全国から1020点の力作が寄せられました。審査は平成8年7月7日に行われ、雪舟大賞、審査員特別賞、特選3点、奨励賞5点、入選30点、佳作33点が決定しました。
第1回 雪舟の里 総社 墨彩画公募展1996の入賞・入選者の一覧(119KB)
雪舟大賞
■ 『 松風 』
井原 智義(木古)
昭和8年 | 岡山県山陽町生まれ | |
昭和25年 | 東光展初入選 | |
昭和27年 | 日展初入選 | |
昭和32 | 東光会会員 | |
昭和38年 | 院展入選2回目 | |
昭和46年 | 東光会審査員 | |
昭和51年 | 日展会友 | |
平成2年 | 日本の自然を描く展 銀賞 | |
平成3年 | 岡山県芸術顕賞 | |
平成7年 | 日展入選27回目 |
【作品制作意図】
雪舟は、自然を師匠とし旅から絵を学び、絵から禅の修業をした。私は、自然から絵を学び、絵画の研究と自己の研鑽に努めています。画題「松風」は、豪渓を題材にしたもので絶壁の岩山や自生している松林に画面のひろがり、色のひろがりを求めたものであります。
審査員特別賞
■ 『 古里の山(冬) 』
世良 正(墨山人)
大正15 | 広島県上下町生まれ | |
元NHK水墨画教室講師 |
【作品制作意図】
終戦復員後、独自の心象風景を絵画を通して観る人に常に求め続けていた故郷の想を感じ取ってもらえればと、その念を込めて描いた心算です。
清々流転の心情を同行としてこれからもこの想を押し進めて描いて行きたいものです。散華した特攻隊の戦友も共感してくれるものと信じます。
特選
■ 『 舊屋 』
王 盛烈
大正12年 | 中国瀋陽市生まれ | |
元魯迅美術学院院長代行、教授 | ||
中国美術家協会常務理事 |
【作品制作意図】
(代表的な古い民家)中国にもいい現せない風格のある画面構成と詩情に満ちた場所に水墨画の素晴らしさを重ねて表現してみたいと思った。
■ 『 残夏 』
中野 俊子
昭和16年 | 広島県呉市生まれ | |
福原匠一に師事 |
【作品制作意図】
真夏の太陽に向かって、力の限りに咲き続けた花も終宴の時を迎える。立枯れ倒れやがて朽ちて行く。 その姿を目の当たりにして、人の生涯をみる想いであった。小さな残り花がいとおしい。激しく燃えた日々が二度と戻ることはないあの日々がいとおしい。
■ 『 サンサーラ 』
青木 伸一(夢流人)
昭和26年 | 東京生まれ | |
昭和50年 ~52年 |
【作品制作意図】
“無限に広がりつつ、やがては失われてゆく生命の流れ。”時はかつて存在した物・今現在存在している全ての物たちへの深い愛惜と畏敬の念を持って、とうとうと流れて行く。恍惚の内に自分と向き合い、存在(時間と空間)を求め、表現することを通して、自らもこの流れそのものとなる事。