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広報そうじゃ 2007年11月号 特集

 介護保険

元気に過ごすための一歩
ふれあいサロン元町
9月19日、総社二丁目の元町公会堂で、「ふれあいサロン元町」で談笑する参加者の皆さん

難波介護保険課長にインタビュー中の最相さん(写真右)
難波介護保険課長にインタビュー中の最相さん(写真右)

介護
保険
対談介護保険

市政モニター
最相 信雄さん

介護保険課
難波 道好課長


 平成12年にスタートした介護保険制度。平成18年にはその内容が見直され、介護予防や自立支援に力点が置かれるようになりました。
 市政モニターの最相信雄さん(井手)が、介護保険課の難波道好課長に、介護保険制度の内容や今後についてインタビューしました。

◆予防と自立に力点
最相 介護保険制度は、社会全体で支えようとスタートした制度でしたね。
難波 はい。介護や支援が必要になっても、住み慣れた地域や家庭で自分らしく生活できるようにと平成12年度に始まった制度です。一昨年の見直しにより、平成18年度から新しい枠組みで再スタートしています。
最相 何か大きく変わったのですか。
難波 この見直しの特徴の一つですが、できるかぎり要介護状態にならないようにと、例え要介護になっても、それ以上悪化しないようにと、「介護予防」と「自立支援」への取り組みに力を入れるようになったことです。というなかで、介護認定の区分も従来の6段階から7段階となりました。
最相 介護とは、本人ができないことを補うサービスだと思っていました。新しい枠組みでは、本人の自立を支援し、介護予防に努めるということですね。ところで、現在、介護保険の利用者は何人ぐらいですか。
難波 市内の65歳以上の人は約1万5000人で、そのうち介護認定されている人が約2600人です。
最相 この数字からすると、元気な高齢者が多いということですね。


◆介護保険料は
 介護サービスの財源に
最相 次に、私も納めている介護保険料についてお聞きしたいのですが。
難波 65歳以上の人の保険料を決定するために、まず、平成18年から20年までの3年間の介護や介護予防サービスに必要な給付費などを推計しました。そして、推計した費用の19%分を、推計の65歳以上の人の数で割って算出しています。基本的には平成20年度までの3年間、介護保険料の基準額は同額となります。
最相 納めた介護保険料は、何に使われているのですか。
難波 要支援1から要介護5までの介護認定を受けた人が利用できる全てのサービスの給付費や、認定申請したものの自立(非該当)となった人、あるいは介護認定を受けてない人に対する介護予防や自立支援の事業に使われています。
最相 私の身内に3か月前に腰の骨を折って寝たきり状態になり、今はひとまず歩けるようになった人がいます。こういった場合、介護認定を受けないと介護サービスが受けられないということですね。
難波 はい、そのとおりです。介護認定を受けても、保険給付の制限を受ける場合があります。例えば、介護サービスを利用したとき、介護保険料の未納期間に応じて本来1割負担である利用者負担が3割に引き上げられたり、一旦、利用料の全額を自己負担してもらうこともあります。


◆見込額を下回る実績
最相 なるほど、きちんと納めている人との公平を保っているんですね。介護保険の会計の収支はどのようになっているのですか。
難波 平成18年度の歳入は37億1192万円で、その約半分が介護保険料によるもので。残りの半分は、国や県、市の負担です。
最相 支出面ではどうでしょうか。
難波 支出の総額は35億130万円です。このうち、介護認定を受けた人へのサービスの提供では約36億5000万円を見込んでいましたが、決算をすると約31億5000万円でした。また、介護予防や自立支援などの事業費も約7300万円の見込額に対して、決算額約6500万円で実績が見込額を下回っています。
最相 会計全体では2億1062万円の黒字ですね。どうしてですか。
難波 介護認定者やサービスを受ける人が、見込んだほど増加しなかったことなどが考えられます。この黒字分のうち、一部は、いざというときのために基金(貯金)という形で積み立てています。
最相 収支の決算や基金など、皆さんあまり詳しく知らないと思います。もっと情報提供することも必要ですね。
難波 そうですね。多くの皆さんが利用しやすいサービスとなるよう、いろいろな機会を通じて情報提供していきたいと考えています。


平成18年度介護保険特別会計の決算
注意!!
 保険事業勘定分とは別に、介護サービス事業勘定分があります。これは、要支援 1・2 の介護予防ケアプランの作成の経費です。決算額は、歳入と歳出は同額で、3798万円です。

介護保険課 難波 道好課長
市政モニター 最相 信雄さん(井手)
みんなが集い、
住み慣れた地域で元気に過ごす。
介護保険制度を理解し、
みんなで支え合って
住みよいまちにしたいですね。
介護保険課
難波 道好課長
市政モニター
最相 信雄さん
(井手)

地域包括支援センターの基幹ステーションと地域ステーションの位置

清音福祉センター内にある中央部地域ステーション
清音福祉センター内にある中央部地域ステーション

◆相談は8766件
最相 介護予防の拠点ということで、新しく「地域包括支援センター」が設置されたと聞きましたが。
難波 そうです。先ほど話しました介護予防と自立支援に取り組むため、昨年の4月に地域包括支援センターを設け、高齢者の人やその家族への支援を担っています。総社市の場合、基幹ステーションと地域ステーション(市内4か所)を設置しています。
最相 だれもが介護や支援が必要となっても、安心して住み慣れた地域や家庭で自分らしく生活できることを望んでいます。このような拠点ができたことは地域にとっても、ほんとうにありがたいと思います。具体的には、どのような業務をしていますか。
難波 将来、介護が必要になるかもしれない要支援 1・2 の人への介護予防サービスの提供や、健康状態の向上・維持の支援などをしています。また、介護や健康、高齢者虐待などの相談を受けていて、平成18年度は8766件の相談がありました。特定高齢者の人の、運動機能の向上や栄養改善、閉じこもり防止といったことにも取り組んでいます。
最相 いろんな相談にのってもらえると、とっても心強い存在です。ところで、先ほど特定高齢者のお話がありましたが。
難波 特定高齢者とは、介護保険の対象者ではないのですが、将来的に介護保険の対象になる可能性が高い人です。生活機能評価という25項目の質問に答えていただき、その結果を総合的に判断し、判定しています。
最相 判定で特定高齢者になると何かするのですか。
難波 職員が訪問し、毎日の生活のなかで、特に気を付けることなどを話し合います。そして、そのことを積極的に実践していただくために、特定高齢者デイサービス事業などをお勧めしています。
最相 いろいろなフォローをしているのですね。


◆地域で見守る
難波 地域での介護予防や自立支援に取り組むための協議の場として、「小地域ケア会議」があります。
最相 地域が主体で活動するのですか。
難波 小地域ケア会議は市内に21あります。おおむね小学校区単位です。地元の民生委員や福祉委員などが中心になって、地域が抱える課題や問題などを話し合い、高齢者の皆さんが安心して暮らせるよう、見守り活動などに取り組んでいます。
最相 日ごろ、地域で活動されている民生委員や福祉委員などがいっしょになってがんばっているんですね。地域で主体になる人材も必要ですね。
難波 そうです。今年の夏に、介護予防の活動を自主的に行える人材を養成しようと、介護予防サポーター養成講座を開催しました。21 人の修了生には今後、この講座で得た介護予防の知識や体操などを生かし、地域での活躍を期待しています。
最相 介護予防サポーターの人が活躍すると、地域としても頼もしいですね。地域のみんなで見守れる体制が一番です。
難波 介護予防サポーターの養成は、継続してやっていきたいと思います。

◆集う場が必要
最相 一人暮らしや閉じこもりがちな高齢者の人が気楽に参加でき、ふれあえる場も地域には必要ですね。
難波 はい。参加者みんなで体操したり介護予防の知識を深めたりする「健康づくりの集い」が公民館の分館単位で19か所。社会福祉協議会へ委託している事業の「ふれあいサロン」が123か所あります。
最相 そうですか。実際に、参加されている人の評判はどうですか。
難波 ふれあいサロンでは、お茶を飲みながら世間話をしたり、趣味の碁を打ったり、各サロンごとにまちまちなんですが、「知らない人とも知り合いになった」「楽しかった」などの声を聞きますね。
最相、高齢者が立ち寄れる場があるというのは、いいことですね。高齢者だけでなく、子どもも含めて若い世代とも交流できたらいいですね。
難波 そうですね。
最相 数十年先に迎える老後のために、若い世代にもこうした活動を知ってもらうことも大切ではと思います。
難波 「健康づくりの集い」や「ふれあいサロン」を通じて、多くの高齢者の人が集い、結果として、介護予防や自立につながればいいと思います。
最相 地域と行政が一体になって地域の福祉を盛り上げているのですね。いろんなことをやっているんだなと新鮮に感じました。最後にこれからについて、一言お願いします。
難波 介護に関わらず、かつての社会のように、人が集い、コミュニケーションが密になる社会が望ましい形かもしれませんね。地域の見守りが地域の自主的な活動につながり、見守る人が、今度は見守られる人になる。そういうお互い様という気持ちも大切にしたいです。そして、みんなが集い、住み慣れた地域で元気に過ごしていただけるよう介護予防に取り組みたいと思います。
最相 今日は、ありがとうございました。


介護予防サポーター養成講座の講義の様子
介護予防サポーター養成講座の講義の様子


 集まれる場 ● 見守り
[
健康づくりの集い
ふれあいサロン
小地域ケア会議

]

ふれあいサロン元町
水内地区の健康づくりの集い
ふれあいサロン元町。言葉づ
くりゲームを楽しむ
水内地区の健康づくりの集い。
おやつを作っている
阿曽地区の小地域ケア会議
阿曽地区の小地域ケア会議

水内分館での「健康づくりの集い」
水内分館での「健康づくりの集い」。この日は体操が中心で、写真はボールを使った体操をしているところ


 高齢になればだれでも、住み慣れた地域で元気に過ごしたいと思うのではないでしょうか。年をとっても、閉じこもりがちにならず、集い、人と話をしたり体を動かしたりすることが大切です。ここでは、健康づくりの集いやふれあいサロン、小地域ケア会議の取り組みを紹介します。


■  健康づくりの集い  ■
 元気に暮らすための介護予防事業の一つとして市では、体操や介護予防の知識を深めるための「健康づくりの集い」を実施しています。公民館の分館単位に市内19会場、各会場とも月1回のペースで開催中です。
 今年7月、21人の介護予防サポーターを養成。修了生の一人、佐野広子さん(清音軽部)は9月14日、水内分館で行われた健康づくりの集いに参加し、体操の指導をしました。佐野さんは、「集いには、多くの人に参加してほしいです。お手玉やわらべ歌など、だれでもできることをすると参加しやすいでしょうね」と言います。「来月は何をするかな」。集いの参加者同士で、次回の内容を話し合う場面もみられ、集まることを楽しみにしている様子が見られました。

■  ふれあいサロン  ■
 市社会福祉協議会が推進している「ふれあいサロン」。なかでも高齢者などを対象に小さな地域ごとで作る集まりは、身近な公会堂や分館で、仲間づくりや生きがいづくり、介護予防を目的に開かれており、堅苦しいきまりなどはなく、だれでも参加できるものです。
 現在、市内123か所にサロンができています。「好きなことをして楽しく過ごし、来月もまた来ようと思う。それでいい」。ふれあいサロンいずみの赤坂久志さん(泉)は、サロンの存在意義についてこう言います。
 ふれあいサロンは、地区の民生委員や町内会などが中心になって立ち上げており、実施個所も少しずつ増えています。9 月19日には、ふれあいサロン元町が新たに誕生しました。この日は約30人が参加。おしゃべりやゲームを楽しみました。立ち上げに携わった一人、民生委員の西廣子さん(総社二丁目)は、「長続きするように、和やかで気楽なサロンになれば」と、継続が大切だと言います。
■  小地域ケア会議  ■
 また、平成18年の介護保険の見直し後、おおむね小学校区ごとに、民生委員や福祉委員などが中心になって、小地域ケア会議が21か所できました。この会議は、地域で介護予防や高齢者の見守りに取り組むための協議を行う場です。
 9月13日、阿曽分館で開かれた阿曽地区小地域ケア会議では、緊急時支援・見守り台帳を作ることについて話し合われました。緊急時支援・見守り台帳とは、一人暮らしの高齢者や障がい者の緊急時の連絡先やかかりつけ医、担当ケアマネージャーなどをまとめたもの。会議のメンバーが一軒ずつ訪問して作成しました。
 この会議の委員長を務める水畑良雄さん(黒尾)は、「阿曽では、見守りを軸に活動しています。ですから、緊急時支援・見守り台帳を今後、いかに有効に活用して、見守りに生かせるかです」と、教えてくれました。

□   ■   □
 地域で、地域の人を見守ることの大切さ、そして、元気に無理なく、気軽に集まれるような場があり、そこに人が集っていることが、ひいては介護予防につながるのではないでしょうか。


■ 集まることの大切さを考える必要がある ■ 

福祉のまちづくり研修会から 

 現状を見ると、一人暮らしや夫婦のみで暮らす高齢者世帯が多くなっており、それぞれの世代の暮らしがばらばらになっている。そのため、老後に不安感を抱く若い世代が多くなった。
 これから高齢化が進み、人口が減るなかで、暮らすことのできる社会の仕組みづくりが求められている。かつて、地域のなかにいろいろなつながりがあった。そのつながりが少なくなり、ばらばらになり、みんなが不安に思っている。しかし、それをつなぐ道具立てが見えてこない。
 地域のなかには、さまざまな組織がある。集まることの意味をもう一度考える必要がある。地域の役に立ちたいという多くの思いを、どうつなげていくかが求められている。思いを同じくする人やグループとの接点をどうもっていくか。そのためには地域で何が起こっているのか、課題が何なのか、情報を共有することが大切だ。
 集まる場づくりとして、総社市のふれあいサロンは、その代表例。のぼりを立てるなど、地域のなかで見える活動にし、みんなにサロンへの関心をもってもらうことが大切だ。
 集まりをたくさん作って、集まってみんなで話し合い、何かをし、みんなで地域のことを考えることが大切だ。そして、集まって地域のなかで暮らすことは、私たちの生活を支える大きなものになる。総社では、すでに取り組んでいるが、地域のなかでそれぞれが支え合っていく仕組みづくりが必要だ。


山口県立大学 高野 和良 教授
山口県立大学
高野 和良 教授


 8月25日、市民会館で開かれた福祉のまちづくり研修会で、高野さんは「地域の支えあい・ふれあい活動の魅力と今後の展望について」と題して講演した。

 






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