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|  |  広報そうじゃ 2006年5月号 インタビュー Interview
家中が竹ガニだらけ 妻もちょっとあきれ顔なんです
愛きょうのある竹製のカニや昆虫を手作りするクラフトマン 久野信行さん(泉)
「これが親ガニでしょ(竹製のカニ2体を手に取る)。子どもも多いほうがいいと思ってね。ほら(極小の子ガニ3体を差し出す)。今までにこの親子ガニを250組ほど人に差し上げました。だから、千体以上差し上げたことになります。これでもまだ、その数の分ぐらいは我が家に残ってますがね。家中、竹ガニだらけなんですよ」と苦笑するのが、久野信行さんだ。 作品の特徴は、孟宗(もうそう)竹の枝の節を使い、カニや昆虫の関節を巧みに表現していること。昆虫の触覚なども極細の枝先を用いて、忠実に再現されている。足や触覚の曲げや反りは、ロウソクや線香であぶって曲げる。そして何より、久野さんの手にかかれば、スズメバチやカマキリなど凶暴そうな昆虫も愛きょうたっぷりの作品に仕上がるから不思議だ。 竹細工を始めたのは、およそ20年前。当時、教員を勤めていた高校で、竹細工同好会の顧問をしていたのがそもそものきっかけ。「竹は表情があって、おもしろいんです。軽いし丈夫だしね。竹細工をすると無心になれるんです。忙しいときほどたくさん作っちゃって(笑)。作り慣れている竹ガニが増えた原因ですよ」と飾らず淡々と語る。 近所の小学校の児童相手に、竹細工の講師を務めることがある。その講座には、子どもだけでなく、教員や親も参加するため大盛況だ。「最近、小学校では刃物を使わせないでしょ。だから子どもたちには新鮮なんですね。モノ作りはやっぱりおもしろいんです。既製品にはない喜びです。それと、刃物で手を切ったら、痛くて血が出る。当たり前のことだけど、それが分かれば、他人を傷つけたりできませんよね」とゆっくりと静かな口調で話す。竹ガニが久野さんに、そっとほほ笑んだ気がした。
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