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広報そうじゃ 2006年4月号

 雪舟逍遥〈せっしゅうしょうよう〉

せっしゅうそぞろ歩き─1

郷土の誇る先人
 「世界に名をはせた郷土の誇るべき先人は誰?」という市民アンケートをとったとすると、回答の中で最も多いのは雪舟さんではないでしょうか。対外的にも『雪舟の里総社 墨彩画公募展』の名が美術関係者の間では定着し、紅葉の季節に宝福寺で催される優秀作品展には老若男女が列をなして訪れます。
 ところで、筆者は1989年4月から本紙『広報そうじゃ』に12回にわたって<雪舟の足跡を訪ねて>を寄稿、連載したことがあります。その初回冒頭部分は「室町水墨画を大成したといわれる禅僧画家雪舟は、応永27年(1420)、現在の総社市赤浜において誕生したと伝えられる」というのものでした。併せて、雪舟については「分かっているようで本当はよく分かっていない」ことをまず最初に理解すべきであろうとも記しています。しかし近年、雪舟研究は急速に進みました。まだ分かっていないことが多いとはいえ、当時の画家としては最も良く分かっているという状況に至っています。そこで今回は新しい情報を取り入れ、総社とのかかわりや人間性、絵画史上の意義などを交えながら雪舟の事跡を紹介していきたいと思っています。
 今年は雪舟没後500年にあたり、秋に『雪舟への旅』と題した名品揃えの大展覧会が山口県立美術館で予定されています。あれ?変だなと感じる読者がいるかもしれません。数年前に、京都・東京の両国立博物館で 500年展が開かれたからです。皆さんよくご存じの宝福寺の大きな石碑にも、83才で亡くなったことが刻まれています。しかし、今年が500年なら雪舟の没年は87才であり、これが今日での定説です。さらに没地も山口、益田、芳井(井原市)の3説が唱えられて拮抗(きっこう)しているのです。
 それでは、次回から雪舟の謎に迫っていくことといたしましょう。

岡山県立美術館学芸課長 守 安  收



井山宝福寺(井尻野)

 


 
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