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第15回吉備路再発見講演会

 県立博物館を誘致するにふさわしい吉備路の魅力を再発見してもらうことを目的に、15回目となる「吉備路再発見講演会」を開催しました。市内外から約150人が参加しました。

講演の概要

 開催日 平成26年3月15日(土)
 開催場所 備中国分寺 客殿
 講師 徳島文理大学文学部 教授 大久保 徹也
 演題 「塩づくりからみた吉備」

<講師のプロフィール>
 
1960年 神奈川県生まれ
岡山大学大学院文学研究科修士課程を修了され、香川県教育委員会(文化財専門職員)を経て、1998年、徳島文理大学文学部文化財学科講師、助教授、2007年に教授に就任され現在に至る。専門は日本考古学で、特に弥生時代から飛鳥時代を対象とした集落・手工業生産・墳墓の分析、研究をしている。主な論文・著書に「備讃瀬戸の土器製塩」(吉備人出版)、「古墳時代の政治構造」(青木書店)など多数

講演の要旨

 「塩づくりからみた吉備」と題し、吉備・備讃瀬戸の土器製塩から弥生時代から奈良時代にかけての時代の移り変わりを紹介。土器製塩研究とは、考古学の様々なジャンルの中では、地味な分類に属しているが、こういう地味な材料の分析を通じて過去の社会の仕組みを読み解くことができる。

・ 弥生時代中期後半
    製塩遺跡の大半が児島・小豆島と周辺の島に分布する。この時代、高地性集落の展開が示すように、備讃瀬戸海域は
  急速に物資流通の交差点と化す。このような環境で土器製塩が始まる。

・ 弥生時代後期前半~中葉
一転して吉備・備讃本土部の大形集落が土器製塩の拠点となる。島の製塩遺跡は激減する。地形的に近隣で高濃度の
  海水を採取することは困難だが、余分な手間をかけても、あえて地域の中心的集落で塩を生産することは興味深い。地域
  のリーダー達が重要な交易品である塩の確実な集積と管理を目指したと考えられる。

・ 弥生時代後期後葉
島で再び土器製塩が始まるが、依然として生産の中心は本土部の大形集落である。またこの時期まで備讃瀬戸海域で
  も西部にはほとんど土器製塩遺跡が広がらない。

・ 古墳時代前期前半
製塩遺跡数が最も多い時期で備讃瀬戸海域一円に分布が拡大する。一見、塩生産の盛期に見えるが、各遺跡に残る
  廃棄製塩土器の量は減っている。中心集落の集約的な塩生産から、分散的、零細的塩生産に移行する。この変化は列島
  全体の塩生産動向と深く結びつくと思われる。

・ 古墳時代前期後半
土器製塩遺跡が激減する。本土部ではほとんど塩生産を停止する。島の遺跡数もきわめて少ない。また廃棄製塩土器
  量も激減する。各地で塩づくりがはじまり、備讃瀬戸海域の塩生産は急速に低下する。

・ 古墳時代後期前中葉
備讃瀬戸海域の塩生産が再開される。大阪湾・紀淡海峡部の製塩土器をモデルにした土器をこの時期使用する。つまり
  外部からの「技術移植」によって塩生産が復活する。なお、本土部出土の製塩土器はいずれも塩容器として消費地に持ち
  込まれた事例と見られる。

・ 古墳時代後期後葉~飛鳥時代前半
土器製塩の最盛期で、遺跡数・遺跡規模は急速に増大する。遺跡分布のムラが目立つ。牛窓錦海湾・直島群島周辺・
  児島西岸では特に遺跡が密集する。この他、小豆島周辺や、玉島~笠岡諸島にも少し生産域が確認できる。本土部の出
  土遺跡は、いずれも消費地に製塩土器が持ち込まれたものである。

・ 飛鳥時代後半~奈良時代
全体として遺跡数が減少し、遺跡規模も縮小傾向にあるが、塩飽諸島地域などのように、かえってこの段階に遺跡が増
  えるエリアもある。逆に牛窓地域の急速な遺跡数減少が目につく。邑久古窯址群の須恵器生産拡大に反比例して塩生産
  が衰退するようで興味深い。

<参考>
 第15回講演会の募集内容を参考に掲載しています。

申込方法

1 日 時平成26年3月15日(土)
受付 午後0時30分から
講演 午後1時から午後3時まで(質問の時間を含む)
2 会 場備中国分寺 客殿
3 講 師徳島文理大学文学部 教授 大久保 徹也
4 演 題「塩づくりからみた吉備」
5 定 員抽選で100人(入場無料)
6 申込方法ハガキ、FAXまたはEメールで申し込み。郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を記入して、応募してください。1通につき1人の申し込みとします。
7 申込締切平成26年2月28日(金)必着

問い合わせ

 〒719-1131
 岡山県総社市中央六丁目9ー108
 県立博物館を誘致する会 総社商工会議所内
 TEL 0866-92-1122 FAX0866-93-9699
 Eメール scci@kibiji.ne.jp

 

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