作山古墳

つくりやまこふん

 作山古墳は、全国第10位、岡山県下第2位の規模を誇る前方後円墳で、岡山市の造山古墳(全国第4位、岡山県下最大)に次いで、5世紀中ごろに築造されたものです。
 丘陵を三段に整形加工した斜面と平らな面からなる墳丘は、現在草と木で覆われ一見山にしか見えませんが、築造当時は平らな面に5千本以上もの埴輪(はにわ)が立て並べられ、斜面には石が敷き詰められていました。
 自然の景観の中にある巨大なモニュメントは、吉備の大首長の権力を誇示したものと思われます。
 しかしながら、作山古墳は畿内の大王墓と異なり、後円部は正円ではなくだ円形で、前方部も台形状の突出がみられるなど、不整な形態をしています。また、前方部の前面には丘陵の一部が、取り除かれないまま残されていることから、作山古墳に葬られた吉備の首長は、畿内の大王ほど、古墳築造にかける余力がなかったのではないでしょうか。
 造山・作山の両古墳は天皇の墓とされていないため、中に立ち入ることができる最大の古墳です。

作山古墳

名称
作山古墳
所在地
総社市三須
指定区分
国指定 史跡
時代
古墳時代
指定年月日
大正10(1921)年3月3日
管理者
総社市
形式・構造など
前方後円墳
大きさ・寸法
全長約282m、後円部長約175m・高さ約24m、前方部前面幅約170m・高さ約23m